貧乏王とメイド騎士は今日も爪に火を灯す 「貧乏王よ登城せよ!」
- 2014/06/08
- 12:20
アイノベというサービスが面白そうだったので、ちょっと短い小説みたいなものを書いてみた。・貧乏王とメイド騎士は今日も爪に火を灯す 「貧乏王よ登城せよ!」このサービス、アイコンに吹き出し形式で台詞を付けて物語を作るというものなのだけれど。こう、なんていうか十年ぐらい前のネットとか、あとがき座談会とかそういった黒歴史っぽい何かをビンビン刺激してきます。もしよろしければ目をお通し下さい。...
人魚についての話
- 2014/05/14
- 23:53
話の前に一つ正さねばなるまい。人の胴に魚の足、君達が《人魚》と呼んでいるそれだが、そもそもな話あれは海のモノではない。あの魚鱗の半身は《泳ぐ》という概念を表しているに過ぎないのだ。なるほどそれは海の中を進むには便利ではあろうよ。だが、ならばあの人皮の半身は何の為にあると言うのか。結論から言えばあれはただ《泳ぐ》ことに特化した人間でしかないのだ。下ばかり見ずに空を見上げてみたまえ、この奇奇怪怪なる人...
締め切り間近の小豆洗い
- 2010/05/22
- 01:36
『奇譚の街』を更新、一話追加しました。 しゃかしゃかしゃかしゃか。 じょばじょばじょばじょば。 しゃかしゃかしゃかしゃか。 じょばじょばじょばじょば。 しゃかじょばしゃかじょば。「あーもー! なんだよ、うるさいな!」 夜の静寂を打ち破る不快な音に耐え切れず、俺は布団から飛び出した。「何やってんだよ、こんな夜に!」 煌々と電気の付いた居間へと怒鳴りながら駆け込む。 そこには同居人である自称・座敷童子...
『奇譚の街』更新
- 2010/02/08
- 23:22
FC2小説の『奇譚の街』に最新話『不期而遇のドッペルゲンガー』を追加しましたhttp://novel.fc2.com/novel.php?mode=tc&nid=31499...
twitter小説01
- 2009/11/12
- 05:41
1弾丸をマガジンに装填する。狙いは付けない。目を瞑って引き金を引き絞る。当たる当たらないの問題でではない。撃つことに意味があるのだ。あの頃の僕にとって恋とはそういうものだった。 2奴の言葉は所詮大言壮語。それに騙され協力するのは愚か者。男は黙って不言実行。私は水面下で準備を重ねる。唯一無二のこの発想を誰にも盗まれたりしないように。……相変わらず奴は大言壮語を吐いている。違うのは実現した以前の言葉よ...
使い道の無いモノを放置
- 2009/08/27
- 07:39
そこには安寧があった。静かに、だが確かに日々の記憶は積層していく。しかし、響き渡る銃声が男を夢から引き摺り起こす。ああ、全ては膨れ上がる光へと染め上げられてしまうのか。そして、見よ。・・・あれがお前の罪だ。...
王様の仕事
- 2009/02/12
- 16:15
「ここは……」 気が付けばそこは異世界だった。 白い石造りの広い空間に何の支えもなくぼんやりと光が浮いている。 足元には巨大な魔方陣。映画のセットなんかじゃない。圧倒的なリアル感。大体、自分のような一介の高校生をこれだけの大金をかけて騙す必要がどこにある。「ようこそ、いらっしゃいました」 彼女は日本語でそう言うと、にっこりと人懐っこく笑った。 彼女の耳は尖がっていた。「それで、俺は何をすればいいんだ...
死の本
- 2009/01/25
- 08:19
ある日、一人の男が名前を書いたものを必ず殺すことができる本を手に入れた。『この本に書かれたものは必ず消される。そして、一度消すごとに寿命を一年失う』その説明と共に本にはペンと消しゴムがついてた。男にはどうしても殺したい相手がいた。そいつを殺せるなら、一年程度の寿命を失っても構わない。迷うことなく男は本に憎い相手の名前を書いた。だが緊張していたせいか手がプルプルと震え、うまく書くことができない。男は...
作家の願い
- 2008/11/27
- 06:18
ある作家が『私が幸せになるために邪魔になる人は全員死ねばいいのに』と思いました。具体的には今売れている作家と、これから売れる作家が死んでくれるとありがたい。そんなことを考えていると、神様が作家の前に現われて言いました。「その願い叶えよう」次の日から次々と起こる連続作家変死事件。警察の捜査も虚しく原因は判明せず、この世界から売れっ子作家はいなくなってしまいました。作家は罪悪感を感じながらも、これはチ...
101回のプロポーズ
- 2008/08/19
- 11:07
愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる...
玄関前のぬりかべさん
- 2008/07/12
- 01:33
妖怪には学校も試験も何にもないというけれど、どうやらそれは本当のことらしい。 いや、あれはおばけだっけか? 先日、ウチに突然やってきた自称・座敷童子は寝惚けた顔でパンを齧っている。 ちなみに彼女がやってきてからの変化といえば、食費が二人分掛かるようになったのと、俺が家にいない間も彼女がテレビやらゲーム機やらを使っているせいで以前よりも電気代が掛かるようになったくらいだ。俺の給料が上がったりとか、...
百鬼夜行
- 2008/02/09
- 10:03
空に満月。実に風流。 そして目の前には百鬼夜行(ひゃっきやこう)。…実に風流。「こりゃまた、ずいぶんと」「若いって言うのは素敵だわ」 僕の意味の無い呟きに、律儀にも答えてくれたのは相棒のナツメ。 さすがは相棒、付き合いが良い。「しっかし、ずいぶんと今日は数が多いな」 道を完全に占領しつつ、九十九神(つくもがみ)達は青春の最中を爆走中。 長い年月を過ごし、魂の宿った物々が歌い舞い踊る深夜の祭典。 ...
『頭の良さ』の話
- 2007/10/22
- 01:43
『自称・頭が良い人』が陥りやすい勘違いと言うのはね。知識を無闇に灰色細胞に刻みこんだり、あるいは無用なトラブルを抱え込む自身の人生運営の拙さを自慢したり。そういったことを『頭が良い』と表現してしまうところよね。…もちろんもちろん。それも頭の良さを構成する一要素ではあるよ。だけど『頭の良さ』なんて元来無闇に抽象的な言葉でしょう? ――個人的には『愛』に負けず劣らず複雑怪奇だと思うのだけれど閑話休題。光...
1DKの座敷童子
- 2007/08/17
- 12:22
「座敷童子?」「座敷童子!」 オウム返しされてもなぁ。……まぁ、別にいいけど。 しかし座敷童子に動物の耳なんて生えているものだったろうか。「座敷童子?」 念のためにもう一度尋ねてみたりする。「……座敷童子…ですよ?」 ……なんでそこで口篭るかな。 まぁ、見た目は確かに童子だった。男一人が暮らす部屋にいる所を目撃されたら、俺がお縄をいただいてしまいそうな程度には小学校低学年ぐらいの女の子だ。 しかし座敷童...
奈落井戸
- 2007/02/21
- 08:13
毎度馬鹿馬鹿しいお話を一つ。 ある所に底がないと言われる井戸があったそうな。 ある時、その噂を聞きつけた二人の男が、それが本当が確かめるためにやってきた。「おい、宇津木。ここがそうなのかい?」「ああ、噂によるとこの井戸は地獄まで通じているそうだよ」 言われて見てみれば井戸の奥は暗くて底まで見渡せない。なるほどこれはかなり深い井戸のようだ。「はんっ、どうせタダの空井戸だろうよ」「確かめてみれば分か...