アイドルと付き合ったら事務所から損害賠償請求 - サークル活動の延長としてのアイドル
- 2014/09/14
- 13:04
芸能界は本当に怖いところだぜ……。
アイドルと付き合ったら、芸能事務所に実名を晒された挙句、823万2400円を払えと脅される事態になっているそうだ。
アイドルグループのメンバーが、ファンと隠れて交際したとして、グループの運営側が、メンバー、親権者、交際相手のファンに損害賠償を請求していることが11日、分かった。
グループは、青山☆聖ハチャメチャハイスクール(通称メチャハイ)で今年4月、中心メンバーだった結城美帆(19)と美浦聖奈(22)が突然、グループを脱退した。8月に都内で行われたファンイベントで、プロデューサーが「重大な契約違反があった。2人はファンと交際していた」などと脱退理由を説明し、相手の実名まで暴露した。その上で、運営側が823万2400円の損害賠償を求める内容証明書をファンに送付していた。
文字通り、前代未聞の事態だが、プロデューサーは、日刊スポーツの取材に「2人の親権者は、『ファンと恋愛関係にならない』『職場放棄をしない』などと書かれた契約書にサインしていた。メンバーやファン全員を裏切り、許されることではない」と話した。
自分は芸能界に詳しくないので、この「青山☆聖ハチャメチャハイスクール」も訴えられたアイドルも知らない。
Wikipediaで調べてみるとニコニコ動画が関係しているユニットのようだ。
上記の日刊スポーツの記事には載っていないことだが、ファンの主張によれば損害賠償の他にヤクザによる脅しもあったらしい。
まず、損害賠償の件について
合計823万2400円の請求が弁護士を通して届いていますが
内710万円の内容が対応への労力、費用となっていますがその内訳はどうなっているんですかね?
何にこれだけ費用がかかったと明確にして頂きたいです。
そしてもう1つ交通費を詐取し38万4000円の請求と詐欺罪に該当すると書いてありますがいつ僕はあなた方からお金を頂きました?
一銭も頂いておりませんが?
根本的な事を言いますとまず僕はMovingFactoryと一切の契約を交わしておりません。
一般な市民とし自由に恋愛をしただけです。
この件に関しましては金額を明確にして頂き本当に払う義務があるのであればこちらはいくらでもお支払いします。
今後は弁護士を通してのお話になると思うので宜しくお願い致します。
恐喝の件について
あなた方は「やくざを使い殺す」と言いましたよね?
企業が一般市民に向けて 殺す と恐喝ですか。
実にこわいですね。
殺すと言う言葉がどれだけ重い言葉なのかあなた達はいい大人なので理解してると思っています。
なにかアクションがあればこちらも警察、弁護士に相談しますので悪しからず。
この訴えをプロデューサーの赤虎氏は否定している。
ただし、「やくざを使って殺す」と脅迫されたとするファンの言い分には「全くのウソ。そもそもそのファンとのやりとりはない」と完全否定した。
だが損害賠償の内容証明書については否定していないことから、それについては事実である可能性が高い。
「弊社顧問弁護士」なる存在が対応しているようだが、本当にそんなものが存在しているのか非常に怪しい。
まず第一に本当に「恋愛禁止」などということが出来るのかという点。
自分は法律に詳しくないので東スポWebを引用する。
日大名誉教授(刑法)の板倉宏氏は「契約書に恋愛禁止条項があったとしても、個人の自由を奪うことになるのでアイドルに恋愛禁止を義務付けることは難しい」と指摘する。
やはり恋愛禁止を法律的に義務付けることは難しい模様。
ただし突然脱退したことで契約不履行で損害賠償することはできるようだ。
さらにどうにも脇が甘いというか弁護士の存在を疑ってしまうのは、この起訴に対してファンの男性までも巻き込んでしまっている点だ。
確かにアイドルは契約書にサインをしているはずだが、ファンと事務所間にはそのような契約は存在していない。
存在していない契約を元に損害賠償をするなど出来るはずもない。
また多数の人間に対して公の場で勝手に個人名を晒し上げたという行動も如何にもまずい。
プライバシーの侵害であり、逆に事務所側が訴えられてもおかしくはない。
しかし東スポWebの取材に対してプロデューサーはこう答えている。
また、赤虎氏は本紙の取材に「1人は突然メールで『辞めまーす』って。もう1人は時機を見て公式に脱退発表すると合意したにもかかわらず、突然バックレてしまった。ファンとの交際が辞める直接的な原因になったのは、私と元メンバー2人とのメールのやりとりで明らかだ」と、元メンバー2人がファンとの交際を理由に一方的に契約を解除したと主張。交際相手のファン2人に対してだけでなく、結城、美浦の2人と契約書にサインした代理人に対しても損害賠償を求める内容証明を送付したという。請求額の823万2400円の支払い内訳は「ファン2人と結城、美浦の代理人サイドに任せる」とのことだ。
このようにプロデューサーはあくまで恋愛禁止違反が損害賠償の理由ではなく、それを原因として突然グループを脱退したことに対して契約不履行で損害賠償していると発言をしている。
確かにこれならば賠償に持って行くことが出来るだろうが、そこにファンまで盛り込むのは無理筋だ。
ファンが事務所に損害を与える目的で意図的にアイドルと関係を持ったのだと証明しなければならない。
報道前の短絡的過ぎる行動と、その後に取材に対する恋愛禁止ルールと契約不履行を別にして答えている冷静(に見える)姿勢には剥離した印象がある。
恐らく実名公表や損害賠償請求した時点では頭に血が上っていたが、それが大手報道機関の目に触れて、取材申し込みなどが来るにつれて冷静になっていったのだろう。
芸能事務所側もアイドル側も、全体的にサークル活動の延長で行動していた印象を受ける。
しかし、すでにしてしまった行動はなかったことに出来ない。
今回の事件はすでに日本中に報道されてしまい、如何に胡散臭い事務所であるかということが広まってしまった。
本当にファンに対する起訴が成立するのか気になるけど、恐らく報道とかはされないんだろうなぁ。
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