【閲覧注意】現代でも薬として流通する人体
- 2014/08/28
- 02:02
【今回はショッキングな内容を含むので閲覧注意】
韓国で死産した胎児や乳児の人肉から作った粉末カプセルが発見された。
これらは中国から密輸されているらしい。
死産した胎児や生後1~2カ月の乳児の人肉からつくられた粉末入りのカプセルが依然として韓国へ密輸されていることが分かった。韓国関税庁が26日、与党のセヌリ党の朴明在(パク・ミョンジェ)国会議員に提出した資料で明らかになった。
(中略)
朴議員は「人肉カプセルは服用すれば健康に致命的な危険を与える可能性があるが、肌や滋養強壮に良いという誤った情報が広まっている」と指摘。「間違っている情報を正し、公権力を動員して流通を根絶させなければならない」と強調した。
胎児を使った漢方薬というのは、私が知らなかっただけで何年も前から韓国国内で流通しているようだ。
この「人肉カプセル」には様々な細菌などが含まれており、健康になるより病気になる可能性が高い代物だそうで、薬としての効果は無いらしい。
しかし、人間の体を漢方として食べるという文化は何も中国・韓国に限った話ではない。
日本でも江戸時代頃には同じように人体が薬と扱われていたのだ。
「乾(ほ)した人膽(にんたん)」 <東京>
人膽(にんたん)は精力を増すという古来の伝説を信じて、幕府(江戸幕府)時代には盛んに行われたのだが、今でも内々乾燥したやつを売買している者がある。
その価格は一個何百円(現在では何十万円)というもので、昔首斬り役を務めた何某家には、まだゴロゴロ保存されているという。
(明治40年10月14日)『No.159 日本における人肉食』より
上記はサイトの説明によれば、これは東京朝日新聞(現・朝日新聞)に1907年10月14日に掲載された「諸国悪もの食ひ」というコーナーの一文であるという。
人膽(にんたん)とは肝臓のことで、江戸時代に首切り役を務めた山田浅右衛門の家では処刑した罪人の死体から肝臓を取り出し、それを干して薬にしていたそうな。
商品名は「人胆丸」。
これは正式な薬として扱われており、山田家の大きな収入源となっていたらしい。
他にも同じく江戸時代ではミイラが薬として流通していた。
ミイラ薬は、将軍や大名の間で流行し、滋養強壮剤、偏頭痛薬として珍重されていた。
日本にも即身仏などのミイラが存在していたが、それらは薬にされることはなかった。薬にされたのは、エジプトのミイラだった。
これは中国や欧州でも一大ブームとなっていたようで、当然ながら日本にエジプトのミイラが大量に輸入されることはなく、庶民には到底手の届かない代物だったそうだ。
そして、人体薬の中で何より注目すべきは「紫荷車(しかしゃ)」である。
唐の時代(618年~907年)に編纂された漢方医学書『本草拾遺』の中では、「人胞」、「胞衣」の名で紹介されています。さらに時代が下がって、明の時代(1368年~1644年)に著された『本草網目』には「紫河車(しかしゃ)」の名前で紹介され、肉体的および精神的な疲れや衰えに対して広陽のある滋養強壮の漢方薬として珍重されていたことがわかります。楊貴妃も常時「紫河車」を服用していたと伝えられています。現在でも、漢方に欠かせない薬のひとつです。
『プラセンタとは?3』より
紫荷車(しかしゃ)は胎盤(子宮内の胎児に栄養などを送る臓器で出産時に排出される)を乾燥させたもので滋養強壮に効果があるとされた。
このように古来から人間は人体を薬として服用してきた歴史がある。
さて、それに対して「それは昔の話であり、今はそんなことをしても意味がないと知られている」と言う人もいるだろう。
だが驚くなかれ、現在でも胎盤は薬として使われている。
それが「プレセンタ」である。
一度くらいは健康食品や美容関係でその名前を聞いたことがあるのではないだろうか。
この「プレセンタ」とは英語で「胎盤」のこと。
つまりは現在の「紫荷車(しかしゃ)」なのだ。
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このように通販サイトでも気軽に「胎盤」を買うことができる。
それを顔に付けたり、飲んだりして、美容や健康を得ようというのだから人間は江戸時代から変わっていない。
もっとも、こういう市販品に使われている「胎盤」は豚や馬などのものであり、中には「植物性プラセンタ」なんていう意味の分からないものまで存在している。
(当然ながら子供を生まない植物に胎盤があるはずもなく、これは胎盤の成分を植物を使って真似たものだ)
だが本当に人間の胎盤も薬として使用されている。
それも市販品などではなく、医療の現場でだ。
特定生物由来製品としてのプラセンタの適用は、乳汁分泌不全と更年期障害だけです。この2つの適用に関しては、きっちり研究され、使用法も確立していて、不要なものが混ざっていない合成女性ホルモン製剤もあります。
実際に、更年期障害や乳汁分泌不全はもちろん、思春期の発育不良、性同一性障害などに対し処方されており、危険性も対処法も効果も、かなりはっきりしています。
主に更年期障害や思春期の発育不全の治療、性同一性障害者に対して処方される合成女性ホルモン製剤などとして使用されているようだ。
無学による迷信にしか見えない人体を元に薬にも効果がある……場合もあるということだ。
もっとも、医療の常識というものは日々進歩するものだ。
瀉血や水銀のように後の時代から見れば「プラセンタを薬にしてたとか21世紀の人間はマジ未開」みたいな扱いをされているかもしれない。
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