偽物が大手を振って歩けるブロードウェイ
- 2014/08/11
- 20:45
セサミストリートのキャラクターであるエルモの着ぐるみ等が、客に無理矢理チップを要求したりとタイムズスクエアで好き勝手にトラブルを起こしている。
その行動に市当局が激怒して取り締まりに乗り出すそうだ。
ちなみにこのエルモは版権元の許諾を受けていない無許可でのパフォーマンスだそうな。
米の人気教育番組「セサミストリート」に登場するキャラクターの「エルモ」。その着ぐるみを着た偽物が観光客でにぎわうニューヨークのタイムズスクエアに大量“発生”し、社会問題となっている。観光客と一緒に写真を撮ってチップを要求したり、粗暴な振る舞いで逮捕されるケースが目に余るようになり、市当局が取り締まりに乗り出す意向を示したからだ。
そもそもなんでタイムズスクエアに偽エルモが現れるのかというと、この地域はブロードウェイ・ミュージカルの劇場が集まっている場所であり、訪れる観光客目当てにストリートパフォーマー達も集まってきているのだ。
記事によると最近ではそのストリートパフォーマーの振る舞いに目を覆うものが多いらしく、最近では警官を殴って逮捕されたスパイダーマンなども出たらしい。
この事態に、ついにエルモなどのキャラクターの版権を管理している会社も重い腰を上げた。
市長声明を受けてキャラクターの版権元も動いた。「エルモ」や「クッキーモンスター」の著作権を有する非営利団体の「セサミ・ワークショップ」は29日、「セサミは確かに非営利だが、世界中の誰に対してもキャラクターの着ぐるみを着て公道でパフォーマンスをすることを認めたことはない」と表明。他のキャラクターの版権を持つ企業とも話し合いを始めており、パフォーマーたちがタイムズスクエアでキャラクターの着ぐるみを着て観光客と写真を撮ることをやめさせるための計画を練っていることを明らかにした。
ここら辺は日本の二次創作同人誌にも通じるものがある。
最近でもニトロプラスが営利的な同人活動に対してロイヤリティを要求することを、ガイドラインで発表して大きく騒ぎになったのは記憶に新しい。
他人の著作物を利用して商売するだけではなく、その上でその著作物のイメージを大きく損なう行動を取られた以上、版権元としては断固とした姿勢を見せなければならない。
・・・んだけど、どうやらアメリカが舞台となるとちょっと事情は変わるようで。
法律の専門家の話として、着ぐるみの着用にライセンスを必要とすることや、着用者の経歴審査を行うことは、欧米で広く認められている「言論の自由」に違反する可能性が大きいと指摘している。
アニメなどのキャラクターに扮(ふん)装(そう)して公道をぶらつく行為自体は、合衆国憲法修正第1条が保障する「言論の自由」により認められる。“偽キャラ”たちは寄付やチップという形で「対価」を要求。こうした行為は労働ではなく、大道芸や物乞いに該当するため、やはり合法だ。
コスプレして街中ぶらついたり、それでパフォーマンスしてお金貰う権利が「表現の自由」で守られてるのか。
やっぱ、すげぇなアメリカ。
ただし版権を管理する会社が、目に余る行動をするストリートパフォーマーを個別に訴えるという可能性もあるので、どんだけ好き勝手やっても自由ってわけにもいかないだろう。
それでも他人のキャラクターを使って大手を振って商売できるっていうのは、自分からすると妙な感覚だ。
《追記》
2014年8月23日
この件についての続報。
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