ヤクサノイカヅチノカミ - 八雷神
- 2013/01/20
- 08:48
名称:八雷神(ヤクサノイカヅチノカミ)
別名:火雷大神(ホノイカヅチノオオカミ)、火雷神(ホノイカヅチノカミ)、雷神(イカヅチノカミ)
血縁:伊邪那美命(イザナミノミコト)が単体で産み落とした
象徴するもの:雷
加護:雷避け、雨乞い、通信、電気関係など
《ヤクサノイカヅチノカミ》とは日本の神話に登場する神。
日本列島を生んだ女神《イザナミ》は、様々な神を産み落としたが最後に火の神《カグツチ》を出産する際に焼け死んでしまう。
死んだ《イザナミ》は黄泉の国の住人となるが、黄泉の国の食べ物を口にし腐敗した女神の体には八柱の雷神が取り憑いていた。
八人の雷神にはそれぞれ名前と司るものがある。
頭から生まれたのは《オオイカヅチ》。大雷、つまりは大きな力を意味する。
胸から生まれたのは《ホノイカヅチ》。火雷、つまりは雷によって起こる炎を意味する。
腹から生まれたのは《クロイカヅチ》。黒雷、つまりは雷の折に空が暗くなることを意味する。
陰部から生まれたのは《サクイカヅチ》。柝雷、つまりは落ちた雷が物を引き裂く様を意味する。
左手から生まれたのは《ワカイカヅチ》。若雷、つまりは若々しい雷と意味する。
右手から生まれたのは《ツチイカヅチ》。土雷、つまりは雷が地面に落ちる様を意味する。
左足から生まれたのは《ナルイカヅチ》。鳴雷、つまりは雷鳴と意味する。
右足から生まれたのは《フシイカヅチ》。伏雷、つまりは雷が雲間に潜んでいる様を意味する。
この八柱の神は黄泉の国の住人となったイザナミノミコトの体にまとわりついている姿で登場する。
腐り果てた妻の姿を見て逃げ出したイザナギノミコトをイザナミノミコトの命で追いかけるのも取り逃す。創作物などではイザナミの体に巻き付いた蛇として表現されることもある。
神話での登場はこれのみ。落雷から守り、雨を呼ぶ神として信仰される。近年では雷との繋がりから電気の守護も司るようになり、転じて通信関係に対しても加護を持つ。
神社などでは大雷のみが別枠として特別に祀られている場合がある。
その場合は一緒にワケイカヅチオオカミ(別雷大神)。つまり雷を支配する力を持つ神であるカモワケイカヅチノミコト(賀茂別雷命)が共に祀られていることが多い。