夢のお話
- 2009/11/08
- 11:35
私は夢を見ていた。
昨日、あれだけ散々寝たくせにそれでもどうしようもなく眠たくて布団に潜り込んだのだ。
布団を跳ね飛ばした。
目を覚ました瞬間、私は飛び起きる。
枕元の上着を引っ掴んだ。着る余裕なんてものは無かった。手に持ったまま走り出す。
階段を駆け下り、居間へ。
「どけ」
椅子に座って居間で寛いでいる弟に向かってそう言い放つ。
弟が言い様の理由を尋ねてくるが、そんなものに答えている余裕はない。
私の慌てた様子に弟も何かを感じ取ったのだろうか、一種気味悪いものから逃れるように椅子から退いた。
私はノートパソコンを引っ張り出す。
その上に乗っていた荷物が転げ落ちるが無視する。CDが床に思いっきり落ちたが意識から追い出す。
ノートパソコンを起動する。
遅い遅い遅い遅い。
なかなか起動しない。なかなか読み込まない。
私は焦れる。
そんなところへ弟がまた話しかけてくるものだから、私は手で追い散らした。人の言葉などを頭に入れる余地はない。そんなことをすれば零れてしまう。
パソコンが起動した。
テキストファイルに文字を打つ。
連打する。まだ残っている夢の残滓を打ち込んでいく。
やがて一息吐いた時、そこには小説のプロットがあった。
だが未完成。
夢の中で見たお話は、やはり幾らか眠りの向こうへと置いてきてしまったようだった。
具体的には小説にするには二章程足りない。
そして肝心の結末が抜け落ちていた。
口から漏れた一息は無念の一息だった。
だがそれでもそれは夢で見たお話としては、あまりにも理路整然としていた。話の流れや場面展開に違和感がない。
私はこの夢を文章という形に残せたことに満足した。
口から漏れた一息は安堵の一息でもあった。
気が付けば弟は居間にはいなかった。
自室に引っ込んでいるのだろうかと声をかける。
曖昧な返事が返ってきた。弟は部屋から出てこない。
私は「困った」と眉を掻いた。
それが今さっきの話。
昨日、あれだけ散々寝たくせにそれでもどうしようもなく眠たくて布団に潜り込んだのだ。
布団を跳ね飛ばした。
目を覚ました瞬間、私は飛び起きる。
枕元の上着を引っ掴んだ。着る余裕なんてものは無かった。手に持ったまま走り出す。
階段を駆け下り、居間へ。
「どけ」
椅子に座って居間で寛いでいる弟に向かってそう言い放つ。
弟が言い様の理由を尋ねてくるが、そんなものに答えている余裕はない。
私の慌てた様子に弟も何かを感じ取ったのだろうか、一種気味悪いものから逃れるように椅子から退いた。
私はノートパソコンを引っ張り出す。
その上に乗っていた荷物が転げ落ちるが無視する。CDが床に思いっきり落ちたが意識から追い出す。
ノートパソコンを起動する。
遅い遅い遅い遅い。
なかなか起動しない。なかなか読み込まない。
私は焦れる。
そんなところへ弟がまた話しかけてくるものだから、私は手で追い散らした。人の言葉などを頭に入れる余地はない。そんなことをすれば零れてしまう。
パソコンが起動した。
テキストファイルに文字を打つ。
連打する。まだ残っている夢の残滓を打ち込んでいく。
やがて一息吐いた時、そこには小説のプロットがあった。
だが未完成。
夢の中で見たお話は、やはり幾らか眠りの向こうへと置いてきてしまったようだった。
具体的には小説にするには二章程足りない。
そして肝心の結末が抜け落ちていた。
口から漏れた一息は無念の一息だった。
だがそれでもそれは夢で見たお話としては、あまりにも理路整然としていた。話の流れや場面展開に違和感がない。
私はこの夢を文章という形に残せたことに満足した。
口から漏れた一息は安堵の一息でもあった。
気が付けば弟は居間にはいなかった。
自室に引っ込んでいるのだろうかと声をかける。
曖昧な返事が返ってきた。弟は部屋から出てこない。
私は「困った」と眉を掻いた。
それが今さっきの話。