餓鬼
- 2009/10/22
- 06:35
小学生の時、マンガ倶楽部に入っていた私は一枚の絵を描いた。
マンガの絵をそのまま書き写した絵だったと思う。
私はそれに色を塗った。原作の設定にできるだけ忠実にだ。
だが背景に色を塗ることはしなかった。
なぜなら、その方が格好良いと思ったからだ。
だが倶楽部の顧問をしていた女教師はそれが気に入らなかったらしい。「手を抜かずにちゃんと塗れ」と見せた絵を突き返してきた。
これに私は憤慨した。
何しろ、手を抜いたつもりなどまったく無かったのだ。自分の中のセンスと相談した結果色を塗るよりもそのままにした方が格好良いと思ったのだから。
私とその教師は喧嘩になった。
自分の作品を手抜き呼ばわりされたことにも怒っていたが、そもそも以前からその教師とはソリが合わなかったのだ。
彼女が倶楽部の顧問だと知った時は、選択をミスったと子供ながらに舌打ちしたものだ。
最終的に私は彼女を「クソババァ」と罵って教室を飛び出すことになる。
その教師をクソババァ呼ばわりした後日、私はその女教師ともう一人、男の教師に二人がかりで説教を喰らうことになる。
相手の言葉を地面を睨んで無視しながら「子供相手に大人が二人かよ。それも教師が」と私の中で教師というものに対する尊敬の念は完全に消滅した。
ああ、この人達が自分に対して大きな顔をしているのは教師という肩書きと無駄に重ねた年かさだけが根拠なのだと悟った。
今にして思えば嫌な餓鬼である。
「自分が子供であり、大人よりも弱い立場にある」逆に言えば「甘えられる立場」であるということを自覚した上で立ち振る舞っていたのだ。
本当に嫌な餓鬼だった。
だが所詮餓鬼だった。
自分の考えを相手に伝える術を持っていなかったのだから。
だがこの年になったところで、それを持てているかどうかは分からないのが何ともアレである。
マンガの絵をそのまま書き写した絵だったと思う。
私はそれに色を塗った。原作の設定にできるだけ忠実にだ。
だが背景に色を塗ることはしなかった。
なぜなら、その方が格好良いと思ったからだ。
だが倶楽部の顧問をしていた女教師はそれが気に入らなかったらしい。「手を抜かずにちゃんと塗れ」と見せた絵を突き返してきた。
これに私は憤慨した。
何しろ、手を抜いたつもりなどまったく無かったのだ。自分の中のセンスと相談した結果色を塗るよりもそのままにした方が格好良いと思ったのだから。
私とその教師は喧嘩になった。
自分の作品を手抜き呼ばわりされたことにも怒っていたが、そもそも以前からその教師とはソリが合わなかったのだ。
彼女が倶楽部の顧問だと知った時は、選択をミスったと子供ながらに舌打ちしたものだ。
最終的に私は彼女を「クソババァ」と罵って教室を飛び出すことになる。
その教師をクソババァ呼ばわりした後日、私はその女教師ともう一人、男の教師に二人がかりで説教を喰らうことになる。
相手の言葉を地面を睨んで無視しながら「子供相手に大人が二人かよ。それも教師が」と私の中で教師というものに対する尊敬の念は完全に消滅した。
ああ、この人達が自分に対して大きな顔をしているのは教師という肩書きと無駄に重ねた年かさだけが根拠なのだと悟った。
今にして思えば嫌な餓鬼である。
「自分が子供であり、大人よりも弱い立場にある」逆に言えば「甘えられる立場」であるということを自覚した上で立ち振る舞っていたのだ。
本当に嫌な餓鬼だった。
だが所詮餓鬼だった。
自分の考えを相手に伝える術を持っていなかったのだから。
だがこの年になったところで、それを持てているかどうかは分からないのが何ともアレである。