インドは古い因習との戦いの渦中にあれかし
- 2014/07/16
- 18:54
CNNなどのニュースをチェックしていると、インドで起こるレイプ事件についての記事をよく目にする。
今回の事件では既婚女性に対する強姦未遂の疑いを掛けられた男性の『妹』が、報復行為として強姦されるという事態となっている。
インドではカーストと呼ばれる階級制度の影響が強く残っており、下位の階級の女性が襲われたりするなどの被害が多くある。
また村の有力者などが私刑などを行うことも多く、それを発端とした強姦殺人事件なども頻発している。
1月には西ベンガル州で20歳の女性が村の指導者の命令で集団強姦される事件が起きた。国際人権団体アムネスティ・インターナショナルによると、女性は別の集落の男性との交際をとがめられ、「罰」として強姦された。
地元のメディアは、パンチャヤットの命令で強姦の被害者が加害者の男性と強制的に結婚させられる実態を伝えている。最年少の被害者は6歳だという。
だが実際問題としてこういった事件は世界各地で依然として起こっていることではあるが、それがなぜインドに限ってこうして報道されることが多いのだろうか。
これはCNNなどの報道機関や人権団体などが、今のインドに対して特別に目を光らせているというのもある。
だがそれ以上に他の国との大きな違いは、インド政府がこういった行為を明確に「罪」であると規定しているのも大きいだろう。
実際、記事の事件でもすでにこの私刑に関わった人間は逮捕されている。
これは現在のインドが古い因習から脱する過渡期にあるからではないかと思う。
西洋的な道徳観念を取り入れようとする政府と、その流れに置いておかれている人々との軋轢。
実際に逮捕された村の男達は、自分達の無罪を主張しており、自分の行った行為が罪であるとは思っていないのではあるまいか。
だが他国で似たような事件が起こった場合、それを政府が容認することが多々あるのがインドとの違いだ。
そうして警察が実際に逮捕に及ぶことで、事件が報道されこうして世界の目に触れることになる。
もちろん、これは私の多大な希望が混じっている意見だ。
インドの地を訪れたこともない人間には、こうして流れてくるニュースを元にしてしか世界を知ることしかできない。
この予想が正しく、こういった事件が消えていくことを日本人の感性を持った自分としては願わずにおれない。
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